「割烹 築地 㐂やま」は「鉄板と炭 Soil」のオーナー様が築地に新たに構えた店舗で、大将・正木宏尚さんの日本料理の技に惚れ込んだオーナー様が、大将のためにつくった店舗です。
築地といえば日本中の美食家たちを惹きつけてきた街。今もなお粋な職人たちが集うこのエリアに、日本料理の王道を行く後世に残る名店をつくりたい。その想いにお応えすべく、ご依頼をお受けしました。
食文化の聖地・築地に新たな美食の舞台を
オーナー様は「築地でこそ日本料理の本質が輝く」とお考えでした。そこで、オーナー様と共に築地界隈を歩き回り、何度も候補地を検討し熟考を重ねました。最終的に旧築地市場の裏手にある新築のビルに決定。デザインに関しては、店内に余計なものは置かず、大将が腕を振るうに相応しい品格あるデザインを目指し、和モダンをご提案しました。

伝統美と現代美の融合、築地ならではの和モダンを
「和モダン」とは、伝統的な和の美しさに現代的なエッセンスを掛け合わせたデザインスタイルのこと。「食通がお忍びで訪れる名店」というコンセプトを実現するため、和モダンの本質を徹底的に考え、築地ならではの雰囲気を乗せることで独自の和モダンを生みだしました。

高低差を美に変える、茶室の意匠を取り入れた空間設計
厨房とカウンター席の天井の高低差をデザインの一部ととらえて茶室の意匠を取り入れました。照明を壁に当てて光と陰影のバランスを計算し、茶室のように視線をコントロールすることで空間に広がりを生みだしました。カウンターバックに特殊加工を施して金屏風のような演出を加えることで、目線をより奥へと誘います。茶室が持つ和の格式とモダンな美しさが調和し、料理が一層引き立つ空間になりました。

個室の壁にも金屏風をイメージした加工を施し、プライベートな空間にも和の趣を感じさせる工夫を。格子天井と壁に向けた照明が趣のある静けさをもたらし、大切な人との時間をより特別なものにしてくれます。

個室と厨房をつなぐ配膳用のカウンター。通路を通らず個室に料理を振舞うことができます。大将の動線が妨げられることのないよう配慮したエリア分けを徹底しました。

エントランスはビルのエレベーター前という制約があるため、店内の明かりが外へ漏れ、店の存在感を際立たせるようデザイン。訪れる人が「ここだ、ここだ」と見つけたときの喜びを感じられるアプローチになりました。

食通を魅了する、伝統と革新が交差する新たな割烹
オーナー様から「期待以上の仕上がり」との嬉しいお言葉をいただきました。 大将のファンも足を運び、食通たちの間で早くも話題になっています。「大将が腕をふるった料理が、より美味しくいただける空間」。それを目指したデザインが、見事に実を結びました。

DETAIL
店舗詳細
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DATA
店舗情報
- 店名
- 割烹 築地 㐂やま
- 住所
- 東京都中央区築地6丁目24−5 301
- Web
- https://www.instagram.com/tsukiji_kiyama/p/DFRTLGHhR6J/
- 広さ
- 18.63坪
- 竣工
- 2024年11月