神楽坂は、古き良き風情を残しつつ、文化の街として発展してきた街です。
今回の案件は、新築物件で鮨屋とバーを一つのフロアで出店される内装工事・店舗デザインのご依頼でした。店舗の裏手は、神楽坂らしく石畳の細道があり、和の雰囲気を感じられます。
オーナー様がイメージされていたレイアウトを基にして、限られたスペースでフロアを最大限活用するため、最善のレイアウトを模索しました。
エレベーターを降りると、左手に鮨屋、右手にバーの暖簾が掛かっています。共用エントランスは、モダンな和風をイメージして、店内の雰囲気を感じさせながら、シンプルにまとめました。
二つの空間は、陰と陽を表現しています。照明の明るさや色彩のテイストを変える事で、印象が全く違う空間が完成しました。
鮨屋は、白木や間接照明を使って明るく清潔感のある空間に。
カウンター上の下がり天井は、雲をイメージしてクロスを貼り、切り口を斜めにカットすることで天井の圧迫感を軽減。カウンター天板も同様にカットし、重厚感のあるカウンターもお客様側から見るとシャープにすっきりと感じられます。
座席の足元には、既存の窓ガラスがありましたが、透明で足元が透けてしまうため、ガラスブロックをオーナー様の意向で使用し、プライバシー確保と空間の広がりを持たせました。
個室は高級感を演出するために、素材を活かし、余計な線を入れず直線基調のモノフォルムでまとめることで、食事をより際立たせるよう細かい工夫を施しました。
バーの店内は、大人がゆったりとお酒を愉しめるよう、とても贅沢な空間をぎゅっと詰め込んでいます。鮨屋とは対照的にムーディで陰影のある雰囲気に。
白い化粧板は、レフ版代わりとなりカウンターに立つ従業員をきれいに魅せてくれます。間接照明はスポットで落ちるようにしてカウンター下やボトル棚、グラスラックなどを優しく照らします。
オーナー様のご希望の椅子に合わせて、カウンターの高さを合わせました。
また、壁や天井は黒く塗装して天井もすっきりさせました。
二つの全く異なる業態ごとに、それぞれ最適なカウンターの高さを確保するため、天井から床まで空間全体で、ミリ単位で高さを調整するなど様々な工夫を凝らしています。こういった工夫こそ、魅力的な個店づくりにこだわるクロノバデザインが設計・施工工事やデザインを切り離さない、切り離せない理由の一つでもあります。引き渡しの際には、オーナー様から「狭さをあまり感じないですね!」と嬉しいお言葉をいただきました。
二つの異なる業態で営業するには決して広くない物件ですので、設計段階では詳細まで分からない圧迫感などを、現場クリエイターが工事施工段階でも調整をしています。最後の最後まで、オーナー様と微調整を重ね、二つの異なる魅力ある空間を一つの”場”に完成させました。
DETAIL
店舗詳細
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DATA
店舗情報
- 店名
- 神楽坂えん
- 住所
- 東京都新宿区神楽坂3−1 KARUKOZAKA PLACE 2F
- Web
- https://kagurazaka-en.owst.jp/
- 広さ
- 15.01坪
- 竣工
- 2023年5月29日