国分寺駅からほど近く。

にぎやかな繁華街の中に、開口の大きな建具とナチュラルな木を用い、親しみを感じさせる「PATISSERIE LIVRAISON（パティスリー リブレゾン）」があります。

窓には絵本の中から出てきたような、お店のキャラクターのネズミとリスがさりげなく。

「おいしいお菓子があるよ」と呼びかけられているようで、小さいお子さん連れも入りやすい雰囲気です。

店内へ入ると天井の大きなアーチと木の梁がどっしりと印象的に出迎えてくれます。

デザインモチーフは『フランスの田舎の家』。

白壁をベースに、木目調の床、古材やレンガを思わせるラフな素材感を生かした、あたたかなデザインにまとめました。

ショーケースやカウンター、什器はオークの突板で仕上げられ、一体感があります。

それはデザインの統一感だけでなく、予めオーナーが具体的なイメージをお持ちで、ご要望をお聞きし、その用途に合った場所、サイズ感でデザインしたためです。

例えばラッピングのスペースはカウンター内の壁側にあります。

ラッピングに適切なサイズと高さ、そしてゴミ受け用の穴を開けたカウンターは、普段は隠れて見えませんが、小さい手洗い用のシンクを設置しました。

早い段階でヒアリングできたので、細かい心配りができた一体感のあるデザインになりました。

このお店は全て店内でつくられたスイーツを販売しています。

厨房はお店の3分の2を占めるスペースです。

ご要望に合わせて様々な専門器具を組み込み、同線や使い勝手、衛生面など、販売スペースとは違う観点でデザインしました。

今回は特に機器の排熱経路や大型機器の搬入に注力し、衛生面では巻き上げて設置した床の長尺や、ほこりの落ちない照明器具など細部にも心配りしました。

店名は「大切な人に贈りたくなるお菓子」を提供していきたいという想いを込めてフランス語で「届ける」の意味を持つ“リブレゾン”と名づけたそうです。

その店名に相応の、販売スペースは温かで親しみを感じられ、そして厨房は大切な人に贈りたくなるお菓子が日々生まれる、清潔で使い勝手の良いデザインとなりました。