2022年12月、舌の肥えたグルメ界隈を沸かせる季節限定(毎年11月~3月頃)の松葉ガニ専門店が銀座にオープンしました。
銀座で⁈季節限定⁈と疑いたくなるようなお店なのですが、これは店主の田中さんのこだわりでできたなんとも潔いお店です。
「本物、最高の松葉ガニだけを使った料理を提供したい」
という料理人なら誰もが夢見る一本勝負を挑む田中店主は、鳥取でも人気の松葉ガニ専門店を経営されています。仕入はもちろん自らも船に乗り漁をすることも。その太いパイプをつなぎ銀座に最高級の生きた蟹が届くのです。
その凄さは、「銀座かに松」と検索していただくと多くのグルマン(美食家)によって語られていますのでそちらに譲ります。
ここでは私たちだけが知る、田中店主のこだわりについて、披露いたします。
それは内装へのこだわりも一流で本物志向だということです。
店主は、その内装の要望をこのように示されました。
「蟹がメインとなるように、(内装は)華美にしすぎず、引いたデザインにしてください」と。
そして「松葉ガニがとれる11月から3月までしか営業しないので、だからこそ贅沢な空間にして欲しい」とも。
お身内が建材屋さんをされていることにより、材料や細部のオサマリについても良くご存じでした。
実際、カウンターの立派な檜の無垢材や個室の銀杏材はご支給頂いた材木を当社で加工したものです。
カウンター材は、実際に届いてから納得いかず再度全国の材木を探しなおして見つけたこだわりよう。
当社もその要望に答えるべく様々な提案や試行錯誤を致しました。
今回も板場を映えさせるカウンター形状にこだわりました。
シンプルに凛とした空間の視点の先には、店名の「かに松」をイメージしてベンガラ色のタイルと松をあしらいました。
次に個室のデザインです。
大将の背面には、シンメトリーの光と、うずくり加工の板材で上質な空間に包まれるような安心感と板場と客間の適度な距離感をデザインしました。
たった4人の贅沢な客席では、カウンター席より、より落ち着いた飴色の銀杏の木を天板に。
天板はこちらからイメージを伝え、田中店主にイメージの合うものをご自身で探して頂きました。
物件について、最初は要望を伺いながら一緒に見に行きましたが、その後、お忙しい店主に代わり2~3物件、私共だけで見させて頂きました。
その中で最もレイアウト上映えて、さらに設備も問題のない物件ということで現物件を推薦しました。
特にポイントは、カウンターと個室が一つの厨房を介してわかれるという理想的なレイアウトが可能であったことです。
トイレは、「和の雰囲気を大事にしながらモダンな空間にしたい」とのご要望でした。
素材や照明の手法を店内とは全く変えることで、別の空間をデザインしています。
シーズンも終わりに近づく頃、関わったメンバーで個室にて贅沢なカニ料理を頂きました。
それは今まで食べてきた蟹とは全く別のまさに「本物の松葉蟹」でした。
まだ今年は1シーズン目ですが、来シーズン以降は益々話題になることでしょう。
これからの田中店主の活躍が今から大変楽しみです。
DETAIL
店舗詳細
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DATA
店舗情報
- 店名
- 銀座かに松
- 住所
- 東京都中央区銀座8丁目10-17 銀座サザンビル 8F
- 広さ
- 20.19坪
- 竣工
- 2023年12月