ホテルのラウンジと見紛うラグジュアリーな眼科専門の動物病院
Grand Cru Animal Eye Clinic グランクリュ・アニマル・アイクリニック
麻布十番大通りに面したビルの8階、エレベーターを降りるとそこが「グランクリュ アニマル アイクリニック」です。
入り口正面には、天然石を組み上げた印象的な壁面に店名のサインが掲げられ、一見すると隠れ家ホテルか美容サロンのよう。
ですがここ、東京でも珍しい眼科専門の動物病院なのです。
オーナー様は、都内の動物病院で眼科診療を長く担当してきた獣医師さん。
満を持して独立開業されるとのことで、弊社にご依頼いただきました。
実は弊社も、近年はペット関連の店舗デザインを手掛けることが増え、全国展開しているペットショップやペットサロンなどの実績があります。
ただ、病院ははじめてのケースだったので、医療機器に関することは他の病院の先生に助言をいただいたり、機器メーカーの方にご相談したりしながら進めていきました。
オーナー様からのご要望は、
「ホテルのラウンジのような、ちょっと高級な居心地いいカフェみたいなデザイン」
「本物の木や石を使ってほしい」
とのこと。
そのイメージも大切にしつつ、デザインを詰めていった形です。
70坪という広い物件なので、そのうち3分の1程度のスペースをエントランスと待合室に、それ以外を診察室や手術室、入院用のホテルスペースなどに振り分けることにしました。
まず、入り口正面に、前述した石組みの壁が高級感と温かみを醸し出しています。
その左側に受付デスクがあり、そこから右手奥に進んでいくとラウンジ風の待合室に出ます
実はこの動線が、デザインのポイントのひとつです。
普通に壁をレイアウトすると、受付から待合室までの通路が狭くなり、お客様に圧迫感を抱かせてしまいます。
そこで、右側の壁にアールをつけ、手前の空間と奥の空間を柔らかく繋げるようにしました。
壁面は、モルタル風のアート塗装をチョイスして、いま流行りのクールな感じと温かみをマッチングさせています。
本物のモルタルにすると、もしペットが粗相をしてしまった際に染み込んでしまうので、それを避けるための工夫でもあります。
同様の理由で、床材は塩化ビニルを選びました。
オーナー様は、高級感を意識して木材をご希望でしたが、フローリングにペットが排泄してしまうとやはり中まで染み込んで匂いや汚れが取れません。
最近は塩ビでも本物の木材と見間違えるようないいものがあるので、候補を何枚も選んで提案し、最終的に写真のものでご納得いただけました。
メインの待合室で目を引くのは、天井にイルミネーションのように並べた照明でしょう。
病院はビルの8階というかなり高いところにあるので、窓際にこの照明を配することで、下の路面から見上げたときにここが輝いて見えるよう意識しました。
他にも、待合室をガラスの引き戸で仕切って犬と猫のブースを分けたり、トイレにペットと一緒に入れるよう、個室内にリードフックを取り付けたり、入院するペットが寒さを感じないようエアコンの向きを配慮したり。
「ペットファースト」な設備とラグジュアリーな雰囲気がバランスよく融合された空間になったと自負しています。
DETAIL
店舗詳細
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DATA
店舗情報
- 店名
- Grand Cru Animal Eye Clinic グランクリュ・アニマル・アイクリニック
- 住所
- 東京都港区麻布十番1-5-18 カートブラン麻布十番 8F
- 広さ
- 47.74坪
- 竣工
- 2021年