洗練された美食の街神楽坂。
神楽坂の裏路地を入れば、小さなレストランやバー、その一方で神社や老舗料亭など古さと新しさが共存した面白い街並みです。
そのお店の並びがふと落ち着いた先に「BURAI」があります。
日が落ちた後周囲は暗い中、お店のファサード全面が格子の入ったガラスの建具になっており、店内から漏れる光にどこかほっとします。
ファサードからもわかるワインボトル棚やカウンター席などの店内の雰囲気から、いわゆる居酒屋ではない、落ち着きと親しみが感じられます。
オーナーシェフからのご要望は「大人の男性が気軽に立ち寄れる居酒屋」。
ラフな雰囲気の中にぬくもりと上品さ、活気を感じるイメージを目指してデザインを計画して行きました。
お店の構成は、店内手前からソファのあるホール席、そしてカウンター席、その奥には個室の細長い形状をしています。
落ち着いたベージュや木の配色がベースですが、奥へ行くほど色みが濃くなり空間によって変化を持たせました。
まず入り口手前のホール席です。明るく天井高があり、色調は明るいアーストーンと木が使われ、開放的でカジュアルにグループでくつろげる雰囲気です。
座席は4名用のテーブル席が2つ、6名用のボックス席が2つあります。
椅子の張地はチェック柄ですが、席によって張地を変えチェック柄にバリエーションをもたせています。
また、入り口に近いテーブルは、あえて節有のチーク材を天板に使っています。張地や天板の工夫で格式ばらないカジュアルさを演出しました。
次は2段の階段を上ると、カウンター席です。ファサードからも見えるカウンター上の照明は、厨房側の吊棚です。
床は木調の塩ビタイル、カウンターはグレー、カウンターチェアは黒の張地でホール席よりシックにまとめています。
6m以上の長いカウンター席の椅子の間隔はゆとりがあります。
カウンター後ろの通路やカウンターの奥行きも同様にゆとりがあり、一人で訪れたお客様がリラックスできるよう心配りをしました。
カウンター席のさらに奥は個室です。
壁はダークグレイッシュな紫色にエイジング塗装され、担当デザイナーがディスプレイしたフレームが壁を飾っています。
天井は木調、床はタイル風。照明はインダストリアルで、大人の隠れ家という印象です。
全体の雰囲気に統一感をもたせながら、入り口から個室まで色数を絞りトーンを落としていくことで長細い空間に変化をもたらし、シーンに合わせて利用しやすいお店に仕上がりました。
撮影当日、営業をはじめたばかりの夜に伺うと、既にお仕事帰りの男性のお客様がカウンターでオーナーシェフと談笑されていました。大人の男性が一人でも友人同士でも訪れたくなるお店になったのではと感じました。
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DATA
店舗情報
- 店名
- BURAI ブライ
- 住所
- 東京都新宿区神楽坂3-6-53 とぎやレジデンス 1F
- 広さ
- 20.2坪
- 竣工
- 2019年