大阪のオシャレといえば堀江エリア。
その中でもオレンジストリートはライフスタイルやファッションにこだわりのある感度の高い方が多く訪れます。
関西エリアで多店舗展開する「古着屋JAM」さんがこの通りにオープンしました。
今回のご依頼は、従来のユーズドショップの「大量に服を並べてひたすら探す」というスタイルとは違う、この街に相応しいお店にしたいというご要望でした。
そこでセレクトショップのような「お店からのスタイルの提案」「購入しやすい動線」とユーズドショップならではの世界観を組み合わせたデザイン計画をしました。
デザインコンセプトは「アメリカのとある街、“JAM Town”」です。
お店は2階と3階ですが1階の入口から“JAM Town”の雰囲気を感じられます。
エントランスはストリート感のあるウォールアート、そしてブリックタイルに街灯。
まるでブルックリンの路地裏に迷い込んだかのようです。
元は倉庫の雰囲気を活かした、インダストリアルな味わいのある店内です。
壁には古材やブリックタイル、床は横断歩道や標識を思わす装飾が施されています。
2階が269.36㎡、3階は199.94㎡とフロアが広く、宝探しのようにお気に入りの1着を探すワクワク感は大事にしつつも、フィッティングスペースやレジなど必要な場所をスマートに迷わせない工夫を施しました。
例えばフィッティングスペースはフロアの端に2か所離れて位置するため、どこにあるのかわかるように特徴を出しました。
フィッティングスペースのある壁は古材がアクセントになったフレームを繰り返し配置することでお客様はフィッティングスペースのある場所を目指すことができます。
そして、セレクトショップのように、お客様へコーディネートの提案ができるよう、随所にディスプレイスペースを用意しました。
例えば、2階に上がると、トルソーを2体置いたテーブルに季節のコーディネートが。
さらに壁面のラックは上段と下段に分けられ、上段にはお客様に洋服の正面を見せ、下段はカラーごとに分類して配置しているので、ディスプレイをヒントに探すこともできます。
さらに、8の字を描く店内の動線を多数計画しました。
これはディスプレイに出会う機会を増やすため、また接客が苦手なお客様の逃げ道にもなり、一人でじっくり探したいという気持ちを大事にした設計です。
宝探しのようにワクワクしつつ、お店からのコーディネートの提案を目にして、思わず手に取ってしまう。
そんな楽しさのあるプランになっています。
デザインコンセプト“JAM Town”は街歩きをする自分をイメージしながらファッションを探すことのできる店内です。床は矢印や横断歩道を思わせるストライプが描かれています。
これは世界観を彩るだけでなく、誘導の意味をもたせて広い店内を迷わせない目印でもあります。
倉庫をインダストリアルに、まるでブルックリンの街のように賑わいを持たせて、セレクトショップのような独自の提案と世界観のある、新しいユーズドショップになったのではないでしょうか。
今日はどんなディスプレイに出会えるのか、ファッションだけでなくライフスタイルまで感じられるあのお店へ、つい出かけてみたくなります。
DETAIL
店舗詳細
STORE
DATA
店舗情報
- 店名
- 古着屋JAM
- 住所
- 大阪府大阪市西区南堀江1-19-23 2F・3F
- Web
- https://jamtrading.jp/horie/
- 広さ
- 2F/99.3坪 3F/108.1坪
- 竣工
- 2019年