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アフターインタビュー

個店エフェクト|親しみやすい“隙”があるお店のデザインが良かった(前編)

update :

「ゴーダカフェ」実際に店舗デザインをされたオーナー様にお話を伺いました。
クロノバデザインでは、小さな個店が人を介して活気のある街、“場”をつくることを“個店エフェクト”と呼んでいます。

オーナー 小田隆之さん
出版社、輸入販売会社を勤め独立。2017年9月にゴーダカフェを開業。

>後編はこちらから

3年目を迎えたゴーダカフェ

ローカルな世田谷線にゆられ降り立ったのは松陰神社前。個店が増える活気ある商店街を抜け、緑の広がる松陰神社の公園が目の前。穏やかな時間の流れる場所に2017年にオープンし3年目を迎えたゴーダカフェを訪れました。

西インドのサンドイッチで他店との差別化

ーお店をやろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
祖母がお好み焼き屋さんで、自然と店を持ちたいという気持ちがありました。もともとカレーが好きで、カレー屋さんをやりたかったんです。周囲からはカフェをやったらという声があって、カレーも出すカフェという業態になりました。
そこでカフェの定番であるサンドイッチに個性を出そうと、世界のサンドイッチを研究しました。海外の資料を取り寄せて、行きついたのが西インドのサンドイッチでした。

ー“西インド”のサンドイッチはインパクトがありますね。
自分の研究したレシピが本場西インドのサンドイッチなのか答え合わせをするために現地へ行きました。行くと決めた時は、物件の契約をしてクロノバデザインさんと既にお店のデザインについて打ち合わせをしている時でした。本場のサンドイッチはシンプルで辛かった!連日サンドイッチを現地で食べ歩くうちに、西インドのサンドイッチの決め手であるソースの味を掴み、美味しいと感じたお店に頼み込んで作り方を教わりました(笑)。日本に戻り、味の決め手はそのままに、辛さをマイルドにして満足感の高いフィリングの日本人が受け入れやすいレシピにアレンジしました。

ー目指したのはどんなお店だったのでしょうか?
地域の人が集まる場。みんなが集まれて、自分自身の場にもなるお店です。クロノバデザインにお願いした際は「個店エフェクト」や「人の集まる場づくり」の理念は知らなかったのですが(笑)結果方向性が一致していました。

ーオープンから3年目、お客様にどんな変化がありましたか?
オープン直後は常に満席でほぼ一人でのオペレーションだったので、がむしゃらでした。お客さんが固定してきて、2年経った時にお客さんが減り始めました。輸入会社に勤めていたので輸入の事業をはじめたり…少しきて本業が疎かになったのかもしれません。でも3年目を迎えてからは今一番良い状況になっています。ご近所のお年寄りから小さいお子さん連れのお母さんなど幅広い世代に来てもらっています。

ーオープン直後連日満席!何か理由があるのでしょうか?
オープン前、お店の壁に自己紹介の貼り紙をしていたんです。それが結構読まれるんですよ。ヒントは今はないですが、吉田松陰資料館の吉田松陰の履歴書でした。履歴書で吉田松陰をよく理解できました(笑)。そこから、自分自身の名前や出身地、上京の理由まで記載して貼ったところ、オープン時には小田の名前を知っているお客さんばかり。お子さんまで「おださーん」なんて、親しみをもってくれていました。

2年経って気付いた、ゆるさのあるお店

ー幅広い世代のお客様が訪れるのはなぜでしょう?
世田谷という場所柄か、好奇心旺盛な元気なお年寄りが多いということ。ランチ時は会社員や主婦、お子さんも訪れますが、近くにお年寄りが通う社会人大学があるので、夕方前からはお酒を飲みにいらっしゃるお年寄りが多く、すっかり常連さんです。お客さんとはまるで家に帰ってきたような近い距離感で、思わず入口で靴を脱いでしまいそうになるくらい(笑)
オープンして2年目になって気付いたんですが、“隙”があるお店のデザインが良かったんだと気付きました。

ー親しみを生む“隙”は住宅の居抜き物件ということが関係あるのでしょうか?
事前にクロノバデザインさんには予算を伝えていました。開業資金はこれくらい。デザイン施工に使えるのはこれくらいと。その予算の中でお店らしさをつくってもらいました。なので要所は抑えつつ、元住宅のままの箇所があります。
例えば床は一段上がってお店に入るし、収納の建具もトイレも元住宅のまま。住宅らしさを感じないのに、無意識に靴を脱ぎたくなったり、どこか親しみやすさ、ゆるさを感じる。それが幅広い世代が入りやすい雰囲気なんだと。オープン2年目で気付いたんです。

地域も地域の外からも訪れたくなるお店づくり

ー2020年1月に発表された世田谷区の「キラリ輝く個店グランプリ 特別賞」受賞おめでとうございます!受賞されたポイントはどこだったのでしょうか?
ありがとうございます。実は他薦で、知ったのは最終審査の時に電話が来たことがきっかけでした。他に受賞したのは、90年以上続くお蕎麦屋さんなど老舗が多かったんです。受賞の理由を聞いたところ、今後の安定感、継続性を期待してとのことでした。世田谷はターミナル駅がなく、あるのは下北沢や三軒茶屋などの商店街と住宅街。活気をもたらすのは個店という言葉でした。個店が5店舗繁盛すれば地域も活性化する。ゴーダカフェがオープンした時は近隣の繁盛店からの流れもあったと思います。このお店もその流れを生むお店になっていきたいと思ってます。

ー受賞によって変化はありますか?
区報に載りました。区報は駅に置いてあるので、世田谷区内なら遠くても来てくれるんです。区報を読むのは時間のあるお年寄りや主婦、それと同業の飲食店の方(笑)。

ー初の試みもされるそうで、これから開催予定の料理教室は満席だそうですね。
はい、西インド料理教室です。カフェの専門学校で教えていた経験も活かして、自分自身が講師です。ボンベイサンド®の作り方を西インド現地のサンドイッチも作って食べ比べることのできるイベントです。カフェドリンクの作り方も体験できます。参加者に常連さんはいません。スパイス料理に興味のある人など地域外からのお客さんがほとんどです。

ー看板メニューのボンベイサンド®の作り方もオープンにするんですね!
商標登録しているからできるんです。商標登録をすることをアドバイスしてくれたのは弁理士の先輩たちからで「インドまでせっかく行って開発したメニューだから守らないと」という話を聞き、登録することにしました。

関連記事 :後編|個店のオーナーにこそおすすめしたい商標登録。メニューを商標登録することでサブスク化も

ゴーダカフェ
住所:東京都世田谷区若林4-30-9 グリーンハウス1F
TEL:03-6413-8019
営業時間:平日11:30-20:00、土日祝11:30-18:00
定休日:木曜日

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