限られたご予算の中でできる限り本物感を出す方法
update :
以前、あるトラットリアを手掛けさせて頂きました。
「本場イタリアの雰囲気を出したい」というご要望を意識したお店づくりをしましたが、本来、欧州の内装は歴史や素材の重みがあってこそあの雰囲気をつくり出すことができます。ですので、「本場のイタリアの雰囲気」を限られた予算の中で実現することは、なかなかハードルの高い要望と言えます。
そこで、限られたご予算の中でできる限り本物感を出すために意識したことは…
形はシンプルに、ディスプレイでお店の味を出す
シンプルな空間にして、ディスプレイなどでオーナーさんの色に染まりやすくすることがポイントです。
そのお店では壁や天井にアーチや段で変化をつけましたが、アーチを造ることは技術的にも 予算的にも難しいことではありません。
雰囲気あるライティング
日本的なお店づくりの定番であるダウンライトやスポットライトでのライティングを減らし、欧州のお店のようにシーリングやブラケットを多めに使い、ほのかな光で演出しました。
欧州のライティングはキャンドルライトの光が手本になっており、蛍光灯に慣れた日本人からすると薄暗く感じることもありますが、ライティングをうまく操ることで本場の雰囲気を演出することができます。
素材に本物を使う
通常、予算が少ない場合、床はビニール系の塩ビタイルを使います。なぜなら床を意識して食事をする人はいないので、予算が低くメンテナンス性のよいものを使うことが多くなるからです。
しかし今回は無垢フローリングを使いました。使えば使うほど”味”が出てくるからです。壁も同様にクロスではなく左官系の材料を使用して素材感を取り入れました。
上段:左が無垢フローリング、右がビニールフローリング
下段:左が左官材仕上げ、右がクロス(壁紙)仕上げ